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行動しない僕に、健悟は何も言わなかった。
前みたいに、友達でいてくれた。
きっとそこには必死な気遣いがあるんだろうな。
「ごめんね。」
重荷にも苦痛にもなりたくない。
だけど気持ちにも応えられない。
「気にすんな。」
薄く微笑んで、頭をなでてくれる。
あたたかい、落ち着く存在。
僕もこのあたたかさを返したいと、強く思った。
「やっぱりさ、全部きちんと元どおりってのは無理なんだよな。」
ぽつぽつと健悟が話し始める。
「俺と由希だって、やっぱり何かが変わった。」
健悟は柔らかく笑った。
「前だったら、こんな真剣に話すことも無かったよな。」
戻れない。
少しずつ変わる。
何かが進む。
これが成長なのかな。
「だけどさ、俺は…。」
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