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「・・ぼくは・・・っ、」
僕は、
「りゅうがすき」
詰まる息の合間に発した言葉は、しっかりと耳に届いた。
健悟からの好きと同じ好きで、僕は龍が好き。
ただの幼なじみなんかじゃない。
もっとずっと大きな存在なんだ。
きっと、ずっと前から。
気持ちを言葉にした途端、心がすっと落ち着いた。
一緒にいたくて。
一番近くに在りたくて。
離れたくない。
他の人じゃ埋められない。
好きなんだ、龍が。
「龍じゃなきゃ、だめみたいだよ。」
「・・・あぁ。ごめんな。」
必死に首を横に振る。
健悟は何も悪くない。
友達だったのに。
親友だったのに。
いつの間に心は変わってしまったんだろう。
「・・・友達でいいから、これからも傍にいていいか?」
あまりにも優しすぎる健悟に、止まっていた涙がまた一筋頬を伝った。
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