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考えないようにした。
ちゃんと生活した。
朝も夕方も、1人で歩いた。
学校でもちゃんと笑えてたでしょ?
僕なりに必死に、頑張ってたよ。
だけどやっぱり、寂しいんだ。
ふとした時に、考えて、探してるんだ。
胸が痛くなる。
恋しい。
「俺じゃ、だめ?」
薄い闇と、ほのかな外灯の光の中で。
不思議なくらいしっかりと、健悟の瞳は見えた。
「好きだ、由希。」
真っ直ぐな言葉と瞳に、体が動かなくなる。
「恋愛感情で、ずっと好きだった。」
心の内を告白する健悟は、すごく大人びて見えた。
「俺にとっては、由希は特別な奴で・・・。友達なんかじゃなかったんだ。」
どうしようもない悲しさに、胸がつまった。
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