ぼちぽち | ナノ
3

砂場・・・

龍とよく遊んだなぁ。

龍はトンネルを作るのがとっても上手だった。

僕は失敗して、崩してばっかりだったっけ。


「由希」

僕の前にしゃがんだ健悟に目を向ける。


「しっかりしろよ。考えんな。龍の事なんて、考えんな。」

いきなり何を言うんだろう。

この暗い公園にまで来て、真剣に言われた言葉。

その言葉が、よく分からなかった。


「傍にいない奴のこと考えてどうすんだ。」

悲しげな健悟の瞳が、僕をとらえる。


「1人でも、しっかり生活くらい出来るだろ?」

「・・・うん。」

言いたいことは分かったよ。

確かに、僕は龍に依存しちゃってる。

今、うだうだ龍のことを考えたって仕方がない。

分かってるんだよ。
分かってるんだ。

いつまでもこのままじゃいられない。

龍も、もちろん僕も大人になっていく。
いつまでもくっついて一緒にはいられない。

依存はやめなきゃ、離れなきゃって。


「いま離れないで、いつ離れるんだよ。」

自分でも、今がそのチャンスなんだって、知ってるよ。

だけど、だめ。

「・・・急に出来るもんじゃなかったみたい。」



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