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砂場・・・
龍とよく遊んだなぁ。
龍はトンネルを作るのがとっても上手だった。
僕は失敗して、崩してばっかりだったっけ。
「由希」
僕の前にしゃがんだ健悟に目を向ける。
「しっかりしろよ。考えんな。龍の事なんて、考えんな。」
いきなり何を言うんだろう。
この暗い公園にまで来て、真剣に言われた言葉。
その言葉が、よく分からなかった。
「傍にいない奴のこと考えてどうすんだ。」
悲しげな健悟の瞳が、僕をとらえる。
「1人でも、しっかり生活くらい出来るだろ?」
「・・・うん。」
言いたいことは分かったよ。
確かに、僕は龍に依存しちゃってる。
今、うだうだ龍のことを考えたって仕方がない。
分かってるんだよ。
分かってるんだ。
いつまでもこのままじゃいられない。
龍も、もちろん僕も大人になっていく。
いつまでもくっついて一緒にはいられない。
依存はやめなきゃ、離れなきゃって。
「いま離れないで、いつ離れるんだよ。」
自分でも、今がそのチャンスなんだって、知ってるよ。
だけど、だめ。
「・・・急に出来るもんじゃなかったみたい。」
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