ぼちぽち | ナノ
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右腕をひかれて、はっとした。

いつのまにか立ち止まっちゃってたみたいだ。


僕は、健悟に腕を引かれながら歩いた。


最近は1人で帰ってた道を。

あと何日で龍が帰ってくるのか、頭の中で唱えながら帰ってた道を。


何も言わずに、僕の少し前を歩く健悟。

その背中に話しかけることに、何でか躊躇した。

めったにない沈黙に、恐怖を感じた。


僕等は、ただ黙々と歩く。

いつも健悟と別れる十字路も通り過ぎた。

そのまま歩き続けて、着いたのは住宅地の脇の公園だった。


健悟に引っ張られるままに、ブランコに腰掛ける。

日も暮れた公園には、僕等以外誰もいなかった。

視界の端に、放置された砂の山がある。



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