ぼちぽち | ナノ
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こんなの、僕の日常じゃない。


龍がいない。

隣に、龍がいない。



からっぽの空間に、耐えきれなくて目をそらす。

コンクリートの地面にはところどころに染みみたいな汚れがある。

幻影を、幻聴を振り切るようにまばたきを繰り返した。


さっきよりもなぜか重い体を、必死で動かす。

いつもの行動が、しんどくてしんどくて、いつもじゃなかった。


ガコン、とカフェオレが落ちた音も、いつもよりも重かった気がした。





スイカオレは、美味しくなかった。

無駄に甘くて絡みつく味。

確かにスイカの味がしたけど、全然美味しくなかった。



夏の暑い日、龍の部屋で食べたスイカが、食べたい。


龍の存在が、美味しいスイカが、暑い夏が。



全てが、胸が痛いほどに、恋しかった。



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