笑顔って何?
「りゅーう!」
2階の僕の部屋。
大きな窓の外の小さなベランダから、僕は呼びかけた。
声を向けた先には、同じようなベランダと窓。
隣接していて、すごく近い。
この部屋の距離も、僕達を繋げている一因だ。
「何。」
意外とすぐに、その部屋の持ち主は姿を現した。
「そっち、行っていい?アイス持ってくから。」
にこっと笑って尋ねると、何も言わずに網戸を開けてくれた。
そして、ベランダから手を伸ばしてくれる。
小さい頃から、行き来してるし、大丈夫なんだけどね。
龍はいっつも心配して、手を貸してくれる。
ベランダの手すりに腰掛けて、くるりと体を回して、足から移る。
その時に、龍はいつも引き寄せてくれた。
落ちないように、支えてくれた。
今でもそれは同じ。
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