ぼちぽち | ナノ
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一緒に教室まで帰ろう、ってことなんだろうな。

本当に不器用で優しい。


ぱたぱたと小走りに龍の横に並ぶ。

いつも龍よりも歩幅の小さい僕に合わせて、ゆっくりと歩いてくれる。

さりげない優しさ。

いつも通りの龍だ。

僕がよく知ってる、不器用だけど優しい幼なじみ。

さっきは無表情に無感動に他人を痛めつけていた。

あまりのギャップに、少し頭が混乱気味だ。



人は単一じゃない。
いろんな面を持っている。

誰かがそう言っていた。

本を読んだんじゃなくて、多分テストの文章問題だった。



僕も龍も、きっと健悟も。

皆、人には見えない、隠れている自分がいるのかな。



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