ぼちぽち | ナノ
3

じゃぁな!と笑って健悟は手を振る。


僕と龍は2人になった。

僕がぽつぽつと話すけど、龍は頷いたり返事をしたりするだけ。
自分から進んで話してくれることは、ほとんど無い。

なんとなく寂しい帰り道。

いつもの沈黙を背負いながら、ゆっくり歩く。



家が隣同士だった。

年も近かった母さん達は、すぐに仲が良くなった。

そして、2人は同じ年に男の子を出産した。

ますます仲良くなった2人は、今でも2人で買い物に行ったりする。

近所の人は「まるで姉妹みたいだ」と噂する。


だから、そんな僕と龍は幼稚園に入る前からずっと一緒だった。

由緒正しい幼なじみ。

一番の親友。


幼稚園には、意地悪な子がいた。

でも、僕には龍がいて、守ってくれた。

龍は他の子とは全然遊ばなかった。
僕の隣にずっといて、2人でいろんな事をして遊んでた。


『ゆきは、おれの!』



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