ぼちぽち | ナノ
6

「いらねぇ。」

おにぎりを食べていた龍は、眉をしかめた。

「お好み焼き、嫌いだっけ?」

そんな記憶ないんだけど、と首をかしげる。


「健悟と間接キスとか、無理。」

あ、そっち?

まだ知り会って3ヶ月目だし、恥ずかしいのかな。
龍って案外シャイ?

「んー…。」


健悟が食べた部分を、自分でまた食べる。


「はい。」

そして、龍に差し出す。


「僕ならいいでしょ?」

間接キスなんて、もう慣れっこ。
だって本当にずっと一緒だし。

そう言って笑うと、龍はチッと舌打ちをして受け取った。

「うるせぇな。食えばいいんだろ。」


パンを引きちぎるように食べて、龍は呟いた。

「・・・確かにお好み焼きの味しかしねぇ。」



「なんだよー。皆同じ感想じゃん。」

健悟が声をあげて笑う。

僕もつられて、笑ってしまった。

龍だけは笑ってなかったけど。
その雰囲気は優しかった。



- 9 -



[*前] | [次#]


back


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -