ぼちぽち | ナノ
2

「んー・・・。」

苺か、バナナか、それともメロンか。


「どれがいいと思う?」

隣に立つ、頭1つ分は高い、産まれてからの幼なじみを見上げる。

「好きなのにしろよ。」

あくびをかみ殺すように、そっぽを向いて答えられた。

「はいはい。」

素気なくて冷たいように見えるけど、わざわざ僕を待っててくれてる。

「龍は優しいのに不器用だよね。」

「なっ。・・・おまえより俺のが器用だろ。」

龍は、身じろぎをして、声を低くした。

きっと僕を睨んでるんだろうな。


茶髪でピアスはたくさん。

背は高くて、かっこいい。

目つきは悪くて、喧嘩してばっかり。

女好きでもあって、悪い噂ばっかり。


「苺に決定。」

でもね、怖くはないよ。

好きだよ。

幼なじみだから慣れてるとか、そんなんじゃなくて。

大切だから、分かるんだと思うんだ。


龍は優しいけど不器用で、とても誠実な人。




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