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「んー・・・。」
苺か、バナナか、それともメロンか。
「どれがいいと思う?」
隣に立つ、頭1つ分は高い、産まれてからの幼なじみを見上げる。
「好きなのにしろよ。」
あくびをかみ殺すように、そっぽを向いて答えられた。
「はいはい。」
素気なくて冷たいように見えるけど、わざわざ僕を待っててくれてる。
「龍は優しいのに不器用だよね。」
「なっ。・・・おまえより俺のが器用だろ。」
龍は、身じろぎをして、声を低くした。
きっと僕を睨んでるんだろうな。
茶髪でピアスはたくさん。
背は高くて、かっこいい。
目つきは悪くて、喧嘩してばっかり。
女好きでもあって、悪い噂ばっかり。
「苺に決定。」
でもね、怖くはないよ。
好きだよ。
幼なじみだから慣れてるとか、そんなんじゃなくて。
大切だから、分かるんだと思うんだ。
龍は優しいけど不器用で、とても誠実な人。
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