キリリク | ナノ
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「さぁてと。何か面白い事はないかな。」

「え。どうしたの、そのわざとらしい言葉」


やぁ、皆様。
多忙にまみれ、刺激が薄れ、退屈の多いこの時代。
わずかでも貴女の娯楽になれるよう、ひとつの話をしよう。

ある初冬の話。
俺たちはそう、校庭にいた。



「なんでこんな寒い中・・・」

二の腕をさすりながら、俺を見つめる真澄。
その眼差しの中に反抗的な色が見えるのは、きっと俺の気のせいだと思う。
いや、そう思いたい。

「真澄・・・今の言葉で俺の繊細なプラスチックハートがバラバラ殺人事件だよ。どうしてくれるの」

「あえてガラスじゃないんだ」

儚げで悲しげに訴えてみたけど、真澄の目は冷たい。
あろうことか、肩を竦めて苦笑いときた。

「どうしてくれるの」

「え、いや。何もしてな・・・」

「どうしてくれるの」

「あ―もう!何をすればいいの!?」


ほおらね!
やっぱり真澄は受け要員。
本当、攻めには弱いんだから。

「・・・面倒になっただけなんだけど。」



「よし、じゃあ叫んでくれ!」

「何を!?」

そんな驚いた真澄に驚きだよ。
視聴者を楽しませたいのは分かるけど、そんなオーバーリアクションしなくても。

「何のために校庭に来てるのさ。」

「京が無理やり連れてきたんじゃん」

溜息と共に聞くと、まさかの回答だ。

なんて他力な。
そんな奴が大半の世に、俺は恐怖を覚えるよ。
全く昼も寝れやしない。

「京みたいな人は少数派であって欲しいと心底願うよ。というより、夜に寝ればいいよね。」

「なんて常識的な!」

額を押さえた俺に、真澄は畳み掛けるように言葉を続ける。
これはハートのバラバラ殺人事件どころじゃない。
ハートのバッラバッラ殺人事件だ。


「常識的って避難されるところじゃないよね!?」

常識イコール正しい、なんて間違いだ。
そんな壁も乗り越えられないなら、世紀の大発見なんて出来ない。

「しなくていいけど」

「なんて向上心の無い!そんな奴が大半の・・・」

「あーもう!略してよ!」

「人の話を聞かないなんて。そんな奴が・・・」

「何を叫べばいいの!?」

ふふん。
飛んで火にいるなんとやら。


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