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「ありがとね。」
満足した俺は、上機嫌で玄関に向かう。
「夕飯はハンバーグがいいなっ。」
「っ!幸!!」
さっきの場所に立ったままだった圭は、小走りにきて言った。
「嫌じゃないよ!嫌いじゃない!」
必死に言う圭なんて、久しぶりだ。
「分かってるよ。少し意地悪したくて。」
思わず、クスリと笑みが漏れる。
「だから、違うんだって!!」
「だから、俺は、その・・・。」
「幸のこと、す、きで・・・。」
「あの、兄弟愛じゃなくって、えと・・・。」
「・・・うん。」
散々迷いながら言った圭は、終いには黙ってしまった。
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