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幸二はかっこいい、自慢の弟だよ。
圭はいつもそう言ってくれた。
確かに俺のほうが背も高いし、力も強い。
だけど、嫌だ。
『弟』なんかじゃなくて、1人の男として、愛して欲しい。
兄弟だとか、同性だとか、常識なんてクソくらえ。
俺は、圭しか愛さない。
「まぁ、遊び行こうよ!」
にっこり笑うと、圭も頷いた。
よし、これで俺の週末はバラ色だ。
「ただいまー!!」
両親は共働きで、まだ帰ってきていない。
2人とも理解ある、いい両親だ。
俺が恋愛感情で圭を好きって知ってるし。
母さんなんて、「幸二なら安心して圭一を任せれるわ」とか言ってるし。
「今日の晩御飯、何が良い?」
私服に着替えた圭が尋ねてくる。
「圭がいい。」
きっぱり答えると、圭は本気でうろたえた。
・・・ん―。
可愛い圭を、ちょっといじめてみよう。
「俺のこと嫌い?そんな拒絶するくらい嫌?」
俺の気持ちは迷惑?と、悲しげに尋ねる。
「え・・・。ちょ、ちが、違うって!!」
慌てた圭は、手をぶんぶん振りながら否定する。
・・・かぁわいいっ!
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