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「更夜の肌って、綺麗だね。」
突然、透の指が伸びる。
俺の頬に掛かる髪を、払うように頬に触った。
あまりにも優しい手つき。
「くすぐったい。」
少し顔が歪む。
俺、くすぐったいのとか極度に駄目で。
くすぐられると、誰よりもすぐに降参する自信ある。
過去の事例を思い出していると、いつの間にか、透がすぐそこにいた。
立った透は、すこしかがむようにして、俺の顔をのぞく。
「唇も手触りいいよね。」
なぞるように、指を動かされる。
なんてゆうか・・・・。
「・・・透。」
控えめに声を掛ける。
「ん?どうかした?」
にっこりと透が答える。
「・・・近くない・・・?」
顔も体も、なんかすごい近いんだけど。
透かっこいいし、ちょっと恥ずかしい。
「そう?」
透は軽く首をかしげて、微笑む。
「透って、天然?」
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