キリリク | ナノ
3



「更夜の肌って、綺麗だね。」

突然、透の指が伸びる。

俺の頬に掛かる髪を、払うように頬に触った。

あまりにも優しい手つき。


「くすぐったい。」

少し顔が歪む。

俺、くすぐったいのとか極度に駄目で。
くすぐられると、誰よりもすぐに降参する自信ある。


過去の事例を思い出していると、いつの間にか、透がすぐそこにいた。

立った透は、すこしかがむようにして、俺の顔をのぞく。

「唇も手触りいいよね。」

なぞるように、指を動かされる。


なんてゆうか・・・・。

「・・・透。」

控えめに声を掛ける。

「ん?どうかした?」

にっこりと透が答える。

「・・・近くない・・・?」


顔も体も、なんかすごい近いんだけど。

透かっこいいし、ちょっと恥ずかしい。


「そう?」
透は軽く首をかしげて、微笑む。


「透って、天然?」

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