千変万化 | ナノ
2



「何であれ、俺様がおまえに話しかけたんだ。」
笑っていても、太陽の目はぎらぎらと強く輝く。

「返事するのくらい当然じゃないか。」
なあ?

同意を求められたが、理解は出来なかった。


だが了解した。

太陽が言うのなら、そうなのかもしれない。


軽く頷くと、太陽は満足げに目を細めた。


柔らかく笑んだまま、俺の頭を撫でる。

柔らかく笑んでいるから、常に比べると光は弱い。


だが、乗せられた手はいつも通り焼けるように熱い。

その熱に、かなり低い自分の熱も徐々に上がった。


俺は太陽がいなければ輝けない。

俺は太陽を必要としている。

だが太陽は、俺がいなくとも支障は無い。



対と言われる、俺とおまえ。


俺が欲するだけの、一方通行のような関係。

止まることなく回り続ける、安定性の無い位置。

必ず終焉が訪れる、削られる時間。



太陽と月


俺たちはどこまでも対極で、ただただ遠い。


[*前] | [次#]


back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -