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「何であれ、俺様がおまえに話しかけたんだ。」
笑っていても、太陽の目はぎらぎらと強く輝く。
「返事するのくらい当然じゃないか。」
なあ?
同意を求められたが、理解は出来なかった。
だが了解した。
太陽が言うのなら、そうなのかもしれない。
軽く頷くと、太陽は満足げに目を細めた。
柔らかく笑んだまま、俺の頭を撫でる。
柔らかく笑んでいるから、常に比べると光は弱い。
だが、乗せられた手はいつも通り焼けるように熱い。
その熱に、かなり低い自分の熱も徐々に上がった。
俺は太陽がいなければ輝けない。
俺は太陽を必要としている。
だが太陽は、俺がいなくとも支障は無い。
対と言われる、俺とおまえ。
俺が欲するだけの、一方通行のような関係。
止まることなく回り続ける、安定性の無い位置。
必ず終焉が訪れる、削られる時間。
太陽と月
俺たちはどこまでも対極で、ただただ遠い。
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