立ち位置はいつでも
「俺様が愛してやってるのに。」
太陽はニヤリと口角を上げて言う。
世界中に必要とされる明るい彼。
黄金の髪も瞳も。
本当に美しく、輝いている。
日に焼けた肌によく合う精悍な美貌。
彼は自ら発光している。
「月?答えろ。」
ぎらついている瞳もまた、輝いている。
砂漠での彼は、残酷な人殺し。
極寒の地での彼は、唯一の天使。
悪魔だろうが、天使だろうが、全てのものは彼を必要とする。
命あるものが生きゆくために、彼は欠かせない存在だ。
この俺も例に漏れず、この男を必要としている。
輝くために。
「何に答えるのかが分からない。」
目の前の男に、静かに問いかける。
太陽は破顔一笑した。
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