甘い甘い
愛してる
月だけが、愛しいんだ。
言ってしまえば、周りなんてどうでもいい。
好悪の対象にもならない。
口には出さないけれど、聡い君のことだから。
きっと知っているだろう。
俺が閉じ込めてやりたいほどに、ひたすら月だけを愛していることを。
それでも傍にいて、受け入れてくれる。
僕が静かに絡め続ける鎖を、優しく閉ざす檻を許してくれる。
俺の支配を甘んじて受け止めているのかもしれない。
妄想、だろうか。
勝手に自分の言いように解釈しているのかもしれない。
だけど、それでも。
いや、それだからこそ。
より一層甘い言葉を与えよう。
より優しく抱きしめよう。
俺の愛は幸せなのだと、刻み込もう。
優しく静かに、柔らかく徐々に、けれど確かに。
この気持ちを、黒く濁りきったこの気持ちを。
君にだけは、優しくあくまでも甘く囁こう。
甘く甘く。
捉えどころが無いほどに、絡み付いて離れないほどに、甘く甘く。
あいしている
何度でも繰り返す。
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