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太陽の言うように、愛とは焦がれるものだろうか。
渇望し、だけどもけっして満たされないもの。
狂いそうになるほどに強く、痛みを伴うほどの激情。
それとも、地球の言うように、愛とは包むものだろうか。
相手の傍で、ひたすらに愛でる。
あふれ出る喜びと、静かな嫉妬と、それを超える愛おしさ。
「愛が分からない。」
答えれば、抱きしめられる腕の力が強くなった。
「それでいい。俺が愛してるんだ。オマエも愛せ。」
熱い腕のなかに閉じ込められる。
繰り返される言葉に、ひとつひとつ、退路が断たれてゆく気がした。
「ここにいるよな?月。」
確認ではなく、明らかな命令と威圧。
そこまで鎖で繋がなくとも、俺は既に囚われている。
今ある光と熱を失うことなど考えられない。
これが愛でも愛でなくても、俺はこれを断ち切れない。
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