極彩色ヒーローズ | ナノ
3



ホント、つまんねぇよ。
他の奴といることも、他の奴に先に連絡したことも。


俺だけに笑ってればいいのに。
俺だけのものでいいのに。


「おまたせっ!」
「こんばんは」
「お疲れさま」

ガサガサとやって来た3人。
可愛い女の子みたいなピンクちゃんと、穏やかなグリーン、王子なホワイト。


「お疲れちゃぁ―ん」

ヒラヒラと手を振る。あ、ブルーのため息がまた聞こえた。

肩をすくめてタバコを落とそうとして…止めた。
いけね、ついつい癖で捨てるとこだった。

ヒュウと口笛をひとつ、ちゃんと持ってきた携帯灰皿にそれをおさめる。
みんな、特にブルーがまじまじと見つめてきたから、その熱い視線にウインクを送っといた。

別にさ、環境とか他人とかどうでもイイんだけどね。
ただ嫌われたくないし、悲しませたくない。
たかがゴミに、笑顔を奪わせたくない。
笑わせるのも、奪うのも、俺だけが良い。


大好きで、愛してて、恋しい人。
欲しいなぁ、やっぱり。
必要なんだ。


見上げた夜空には、キレイな月と星。
さわさわと涼しい音と共に、森の木や地面の緑が揺れる。
密やかに響く虫の音も含めて、悪くはなかった。

夏の夜に良さを感じる俺、なかなかに風流人なんじゃね?
クツリと心の中で笑う。

騒音としか感じなかった前の俺とは、ずいぶん変わったもんだ。
それも、悪くなかった。


「おまちど―さまっ!」

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