極彩色ヒーローズ | ナノ
2
ふぅ、と息をついてタバコを取り出す。
俺も着物なもんで、帯のとこから。
今の俺の帯って、なんかドラえもんじゃね?
「な―な―、他の2つのグループはまだぁ?」
しかめっ面のブルーは、俺から一歩後ずさりながら答えた。
「白と緑と桃はもう来るはずだ。赤と黒は後5分だと赤からメールが着たばかりだ。」
ふぅん、つまんねぇの。
ぷは―と煙を吐いた俺に、相手も似たように息を吐く。
そして、俺をアゴで指しながら言った。
「おまえ、煙草止めたんじゃなかったのか。」
しゃがんでいる俺は、立ってるブルーにニヤリと笑いかけた。
そしてわざとらしく、ブルーに向かって煙を吐いてやった。
心底嫌そうなブルーの様子に、思わず声をあげて笑う。
楽しい。
人の嫌がる顔って、ホント面白い。
満足感と共に、また苦味を吸いに行く俺。
不満げなブルーには、ニッコリと笑顔をプレゼントしてやった。
「レッドがタバコの匂いを嫌いって言うからね―。嫌われたくないから止めた。レッドの前じゃ吸わねぇよ。」
暇でつまんない時に吸うだけ。
大して吸わないし、中毒でもないし、タールの量も少ないやつにした。
レッドに嫌われたくないから。
レッドと生きていたいから。
無反応のブルーから空へ目をそらして呟く。
ホント、つまんねぇの。
何がつまんねぇのかって、そりゃあイロイロっしょ。
せっかくの休みに祭りの手伝いしてること。
そのペアがブルーなこと。
絡んできた女の子があんま好みじゃなかったこと。
あとは。
あとは、レッドが傍にいてくれないこと。
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