極彩色ヒーローズ | ナノ
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短く答えると、勇斗はにこにこしながら話を続けた。
最もこいつは笑顔じゃない時のほうが珍しいな。

「タカは祭りで何したい?」

祭り・・・。
脳裏に浮かぶのは、目に眩しく立ち並ぶ出店と鮮やかな花火。
人の熱気と、止まないざわめき。


「どっかの赤くて暑苦しい奴から離れて、ゆっくり夏の夜を満喫したい。」

祭りとは、無駄にエネルギーを使う行事だ。
そこにこんな奴と言ったんじゃ、疲れるなんてレベルじゃない。


「え―!!嫌だ!俺、タカも一緒がいい!」

幼子のわがままによく似た仕草。
しかしそれを違和感なく出来ることが恐ろしい。
こいつは俺と同年の高2だよな。


「有難いお誘いだが、繊細な俺にはどうも。」

紅茶をまた一口。
肩や体から力が抜ける、良い心地だ。

「大丈夫だって!みんなで行くんだから、絶対楽しい!」

何を根拠に、そう自信たっぷりに言い切るんだ。
呆れつつそう尋ねると、最高の笑顔が返って来た。


「大好きだから!!」

誰を、何故。
そしてそれがどうして理由になるんだ。
どうして躊躇せずに言い切るんだ。

言いたいことは山ほどあるが、この応酬にも飽きたのでそろそろ止めておく。


・・・なんてな。
こんなのただの合理化だ。


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