極彩色ヒーローズ | ナノ
1
どうしようもない奴らだ。
最近の癖となりつつある溜息をひとつ。
すると、少しだけ心が軽くなった気がした。
―世界を掴め!―
「な!いいだろ、ブルー!」
請うような顔で手を合わせる赤髪に舌打ちする。
せっかく夏の暑さから逃げてきたというのに、こいつはなんだ。
夏よりもうるさく、暑く、しつこい。
「知るか。そんなことして、俺に何の利益がある。」
見下ろしつつ言い放つ。
赤はこてんと首を横に倒してにへらと笑った。
「たくさんっ!みんなの役に立てる!祭りにみんなで行ける!美味しいもの食べ放題!花火が見れる!」
永遠と続きそうな言葉に、たまらずストップをかけた。
もういい、分かった。
分かったから、黙ってくれ。
ぱちくりとまばたきをした赤は、にっこりと笑った。
「ありがとうな!ブルーなら賛成してくれるって信じてた!」
違う。断じて違う。
俺は理解はしたし、うるさくて言葉を遮った。
だが納得も了解もしていない。
にこにこと上機嫌に笑う赤に対してひどく頭痛がする。
赤の無邪気で綺麗な笑顔にめっぽう弱い自分にも溜息が出た。
「まぁ、いいんじゃない?」
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