極彩色ヒーローズ | ナノ
3



誘ってくれたのは、化学の木原怜汰(キハラ レイタ)先生。
「仲良くしたいから名前で呼べ」って言われて、怜汰先生って呼んでる。
フレンドリーでいい人だよな!


先生の机わきのトランクに座る。
黒塗りの頑丈で大きなトランクの用途は不明。
薬品でも入ってんのかな。

座る俺に、他の先生達も話しかけてくれてすごく楽しい。
先生たち、みんな大好きだ!
むしろ人類、いや世界が大好きだ!


「勇斗は相変わらず、赤いな。」

怜汰先生が真っ黒いコーヒーを飲みながら言う。

あ、勇斗ってのは俺のこと。
赤沢勇斗(アカザワ ユウト)、通称レッド。
大抵の人はレッドって呼ぶな。
名字から、ってこともだし、俺の髪が真っ赤なこともあるかな。

「俺、赤は好きだし!レッドですから!」

レッド、は俺の役職名でもあるんだ。
ほら、言ったろ?
俺はヒーローだから。

「無闇に笑うな。可愛い奴。」
「ははっ。かっこいいですよーだ!」

身長も170pあるし、赤髪の少し長めなウルフカットだからな。
細身だけど筋肉もついてるし、病弱じゃないし。
全然可愛くない、むしろカッコイイと言われたい!


「で、次はヒーローズは何すんの?」

怪しげに笑いを含みながら、先生は話を変えた。
旬な話題だ。
ついさっき、たっちょん先生にOKをもらったんだから。

「ヒーローズは、今度のお祭りのお手伝いすんの!頼まれちゃったし、皆の役に立てそうでしょ?」

にへへ、と締まりなく笑う。
だって、お祭りって良いよな―!

「へぇ・・・、頑張れよ」

ぽんっと頭にのせられた手は、温かくて心地よい。
俺はまた、人から元気と勇気を貰った。
その分、世界にお返ししなきゃな。

「はいっ!じゃあ、また今度!」

立ち上がると、周りからも挨拶された。


「失礼しました―!」
にっこりと満面の笑みで手を振りながら退室する。



外では、暑い世界が俺を待ち構えていた。

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