∞主義 | ナノ

1歩すすんで



相変わらず、ここは異様に金のかかった学園だ。
生徒会室だなんて、それの代表なんじゃねぇかな。

必要性の感じられない絵画を見ながら、俺は1人で寂しく頷いていた。

そう、1人で。


広い生徒会室には誰もいなかった。
待ってろ、と相変わらずのムカつく俺様口調の奴もどっかに行った。

俺ってば、何しにこんなとこに来てんの。
1人って寂しいし、虚しいし、暇だし、楽しくないし…。

「うぜ―。帰るぞ、ば会長め…。」

ふかふかの椅子を、くるくるとキャスターで回転させつつ、恨みを込めて呟く。


「何だと、てめぇ。」

その途端、後ろから低音ボイスが響いた。
明らかに怒気を含んだそれは、ついさっき聞いたものだ。


「…。」

やばいかも。
更に怒らせた気が、しなくもない。
自分から窮地に向かった気が、しなくもない。
めんどくせぇ…


「だいたい、俺様の椅子に座ってんじゃねぇよ。」

しかも、この椅子は会長のかよ。
…ふかふかすぎて、なんかムカつくな。



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