∞主義 | ナノ
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「本っ当に、生意気!!性格歪みすぎだし、バカっぽいし、偉そうだし…!何様のつもりだよ!」
いやいや、おまえもだろ。
かなり性格悪いでしょ。
「如月更夜様」
まぁ、俺も性格は良くはないけど。
バカだけど。
だけど、せっかく絶世の美少女な外見なのに、本当にもったいない!
「〜っ!何それ、バカにしてんの!?信じらんない!この僕に向かって!」
きゃんきゃん喚いてる。
うん、もういいや。
けっこう付き合ってあげたし、分かってくれるでしょ。
「ちょっと、どこ行くの!まだ良いって言ってないよ!」
「言うこと聞く義務も義理もありませんから。」
どこに行くって、そりゃあ食堂だよ。
腹がへって、まじ死にそう。
あと3分くらいで体の機能が停止しそう。
「ちょっと、待ちなよ!」
エレベーターのボタンを連打する。
近くにあったのか、素晴らしい早さでエレベーターは来てくれた。
ありがたい。
待つわけ無い、と無視して駆け込んだ俺。
気がついたら、目の前は制服だった。
車と同じく、人間も急には止まれない。
俺はそのまま、激突した。
相手は倒れなかったけど、鼻が痛い。
痛みに生理的な涙がにじむ。
あぁ、俺の鼻が低くなってそうだ。
「あ゛?」
響いた低い声に、恐る恐る顔を上げる。
怒ってそうで、若干怖い。
そうやって見上げた先には、見たことのある顔があった。
「会長!!」
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