∞主義 | ナノ
心は広く!
「聞いてるの!?顔がちょっと良いからって調子に乗らないでよね!生徒会の皆様にも取り入って、本当に身の程知らずなバカだよ!だいたい…」
如月更夜、すっごいマシンガン攻撃を受けてます。
相手は真剣なんだろうけど、早口すぎて笑いそう。
よくスラスラ言えるよな。
むしろ感動だ。
目の前のコイツは、もう顔見知り。
会いたくはない相手だけど。
名前は知らない。
ただ、生徒会長の親衛隊長らしい。
そして、俺が大嫌いらしい。
でも俺も好きじゃないから構わない。
だってさぁ、呪いの手紙もどきは送ってくるし、会うたびにマシンガン攻撃されるし、足を引っ掛けようとしてくる。
正々堂々と喧嘩すればいいじゃん。
最初は面白がってた俺も、慣れた今ではうんざりしてる。
言われる言葉も、いつも同じだしさぁ…。
もう内容も覚えかけてる。
いや、覚えても何の役にもたたないけども。
まぁ、飽きるわけですよ。
もっと創造的にユーモラスにして欲しい。
食堂に行く以前に、エレベーターの所で捕まった俺はだんだんイライラしてきた。
だって、腹減ったんだもん。
「…ちょっと、聞いてんの!?話せないわけ?うんとかすんとか言ったら!?」
しょうがねぇな。
そう言うんだったら、喜んで返事してやるよ。
「すん」
相手の可愛らしい顔が歪んだ。
“すん”でもいいって言ったじゃん。
っていうか、ああ言われて俺が“うん”なんて言うわけ無いじゃん。
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