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「当然」
にっこりと笑って答えた。
疑問や不満はあるけど、やっぱり良いことの方が断然多い。
友達が出来た。
クラスは楽しい。
クラスマッチは面白かった。
食堂の飯は美味い。
学園は綺麗。
他にもたくさん良いところがある。
俺の話を、雅明さんは見守るように聞いていてくれた。
ここは俺の居場所になった。
俺もけっこう気に入ってる。
そう、だから伝えたくて来たんだ。
「ありがとう」
真っ直ぐに見た瞳は、温かで優しい。
やっぱり、かっこいいな。
俺もこんな大人の魅力ある男になろう。
俺は、こっそりとまたひとつ夢をつくった。
その後も他愛もないおしゃべりを楽しんで、俺は大満足だ。
もしかしたら軽くにやついてるかもしれない。
ちょっと、いやかなりキモイ危険人物だよな。
顔を引き締めるように意識しつつ、俺は昼食を求めて食堂へ向かった。
おいしい食べ物が俺を待ってる!
と、上機嫌だったんですよ、僕は。
なのに何でしょうかね、この状況。
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