∞主義 | ナノ
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「人間の第六感といいますか、超直感といいますか…つまりはフィーリング?」
答えあぐねつつ告げると、透は息を吐いて、双子はこける真似をした。
「まさかの当てずっぽう!?」
「まさかの本能!?」
綺麗な突っ込みを、どうもありがとう。
だけど、そんなに驚かなくていいじゃん。
そりゃあ、なんとなく分かるまのはなんとなく分かるんだもの。
確かに多々良ズは浮き世離れしているくらいにそっくりだけど。
「なんで?」
なんでそんなに驚くわけ。
居心地も妙に悪いし、あまりいただけないのだけど。
俺の苦笑いに、透も同じように笑った。
「見分けれた人、今まで皆無なんだよね。おかげでバカ双子は入れ替わりなんかもし放題。…本当に忌々しい。」
へぇ…って、あれ?
なんか透の背後に黒いオーラが見えるよ。
というより、今まさに舌打ちなさったよ。
…見た目王子なのにな。
中身は王子じゃないのか、やっぱり。
いや、その方が俺は好きだけどね。
人間くさくて面白いし、仲良くなれそう。
完璧すぎる人は、どうも苦手です。
「あ―、強いて言うなら。」
俺の言葉に周りの3人が顔を上げた。
双子の瓜二つのやけに整った顔を見つつ、先を続ける。
強いて言うなら。
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