∞主義 | ナノ
3
同じように頭の後ろで手を組んで立ってる多々良ズ。
ギャラリーからのうざいくらいの熱視線も、飄々とした顔で無視してる。
本当にそっくりだ。
外見も態度も行動も。
どうして、こんなに似てるんだろ。
そんなことを思いながら眺めていると、ふと勉が話しかけてきた。
「俺ね、本気だしても負けるとは思って無かった。バスケの優勝は2Cだろうね―。」
あぁ、ちゃんと認めてくれてるんだよな。
じわじわと広がる嬉しさ。
思わず顔がほころぶ。
「ありがと。だけど、おまえらバスケ上手いな!!」
あのドリブルとパスに、レイアップ、更にはダンクシュート。
多々良ズだけがチームで飛び出て上手かったんだよな。
「一時期はバスケ部だったしね!」
にっと笑った明の答えに、何かが引っかかった。
「…一時期?」
眉をしかめた俺に、くすりと笑う声がした。
「双子は飽き性なんだよ。部活もころころ変わる。」
まだくすくす笑いながら、透は優しく教えてくれた。
へぇ、と頷いてた俺は、ある奇妙なことを発見した。
「明…、」
「ん―?」
なんでか2人同時に返事をされた。
構わずに明の手首を指差して問う。
「なんで勉のミサンガしてんの?」
- 79 -
[*前] | [次#]
back