一息ついたら
「まさか透が本当に来るなんてな―。」
休憩している俺のところに来た透。
相変わらずキラキラオーラが出てる、美人さん。
だから何というか、凄く意外だった。
だって、汗とか似合わない!!
優雅にお茶会のほうがよっぽど似合う。
上品で綺麗な感じだよ。
確かに「応援に来て」とは言ったけど…予想してなかった。
「ふふっ。信用してなかったの?」
ごめん、と肩をすくめても、透はまた面白そうに笑っただけだった。
本当に透は綺麗だよな―…
その姿にしみじみと実感する。
周りのギャラリーが騒ぐはずだ。
こんなに綺麗に笑ってくれたら、俺でさえ得した気分になる。
しかも性格は優しい王子様を演じてるしな。
素の透だってちょっと強引で妖しげな気分屋な割に、十分優しいけど。
「更夜は大活躍だったね。変わらず可愛いし。やっぱり会いに来て良かったよ……有象無象の群集には嫌気がさすけどね。」
「?ありがとなっ。」
最後の方は小声の早口で聞き取れなかったけど、誉めてくれた。
なんだかくすぐったい。
はにかんで礼を言うと、今までもうるさかった周りが更に騒々しくなった。
- 77 -
[*前] | [次#]
back