敵意
「・・・ムカつく。」
何、あいつ。
いきなり現れて、生徒会の方々にまとわりついて。
確かに見た目はいいけど、うざすぎ。
性格も悪そう。
ってか、悪い。
僕が通りすがりに毒づいても、抗議文を書いても、不敵に勝気に笑うだけ。
『会長様に、近づかないで』
『ふーん。ま、俺からは近づかねぇよ。』
そうして、すごく綺麗に笑うんだ。
見せ付けるかのような、艶やかさと美しさで。
『な、俺を楽しませてよ。何なら、喧嘩しようぜ。』
バカにしてるわけ?
ムカつく。
「・・・許さないんだから。」
生徒会の皆様に近づくのは、100歩譲って目をそらしてやっても。
「会長様は、渡さない」
あの人は、僕の王様。
僕は、他とは違う。
あの人の少しだけ特別な子。
「絶対に僕だけなんだから・・・!!」
邪魔なんてさせない。
あいつなんて滅びればいい。
いや、滅ぼしてやる。
小さくうなづいて、僕は行動を開始した。
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