好意
あぁ、ほんとにお美しい。
うっとりと息をつく。
漆黒の艶やかな髪に白い肌。
少し細身の体つきもすごくいい。
特に腰まわりがたまらない。
まっすぐの透き通るような瞳。
笑うと小さくのぞく八重歯。
勝気そうな、楽しそうな笑顔。
色気だってあるし、ほんと最高すぎる。
鼻血でそう。
「隊長、彼はクラスマッチでバスケだそうです。」
「あぁ、そうなの。応援しなきゃね。」
軽く答えた後、僕は少し考えてから口を開く。
「ただ、やたら騒いだりしないでね。まだ本人の許可がとれていないから。近いうちに僕がお尋ねする予定だから。」
はい、とうなづいてその隊員は走り出す。
いつのまにか影で出来上がった親衛隊。
僕達は彼のために在りたい。
それならば、彼を支えるために、彼の望むように在らなければ。
だって、それが真の親衛隊だ。
僕は強い思いを確かめる。
止まっちゃいられない。
隊員の検査、マナー講座、応援の仕方、場所取り、彼へのお伺い。
動かないと。
急いで整えないと。
どれだけ忙しくとも。
彼のために動けるならば、喜びでしかないのだけれど。
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