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「もっと優しく揺り起こせないのかなー。」
はぁ、と大袈裟に溜息をついてみる。
下げた視線
物憂げな口調
悩ましい吐息
・・・演技だけどな。
「俺に期待してんじゃねぇ。」
健は慣れたもので、あっさりと流した。
俺がバカみてぇじゃねぇか。
2人で話しながら、だらだら歩く。
俺が編入して10日ほどたった。
自分でもなかなかの馴染み具合だと思う。
クラスは明るくて楽しい。
スポーツマン系の、あっさりした奴等が多いクラスみたいだ。
学園では康一、壱流、健と一緒にいることが多い。
壱流は健を怖がるんだけどな。
髪を黒染めしたら大丈夫なんだろうけど、仕方ねぇよな。
赤髪じゃなくなったら健じゃねぇ。
似合ってるし、他の奴と一発で見分けなくなるから面倒だ。
まぁ、けっこう順調な感じ。
暴れてないから少し欲求不満だけどな。
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