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人を傷つける言動は止めろよな。
無駄な諍いの原因だぞー。
少し、文句でも言ってやろうと健へ向き直る。
健の将来を心配してのことで、別に心が狭いわけじゃない。
…狭いわけじゃないぞ、うん。
自分が傷ついたからとか、友達だって言ってくれなくてイライラしてるからとか、全く無いからな。
だけど、俺の動きは阻止された。
「おい、席着け―。授業だろうが―。」
面倒くさそうな低い声が響く。
頭をボリボリ掻きながら教室に入ってきた人物は…おそらく教師だ。
長い金髪を一つ結びで横に流してる、少し垂れ目の美形。
…ホストになったほうがいいんじゃねぇの?
まだ若いし、かっこいい。
というより、この学園って美形率、やたら高くないか?
生徒会も全員美形だったし。
誠明さんはそこらへんも考えたりしてんのか?
「お―い。俺の顔に何か付いてるか、編入生―?」
あ、やべ。
自分の世界に軽く出かけてた。
ついつい凝視したみたいだ。
素直に謝って、自分の席に向かう。
……。
「ええぇぇえ!?」
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