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他にもいろいろ話し込んでいると、チャイムが聞こえた。
ここのチャイムは機械音っぽくない。
本物の鐘の音みたいに聞こえて、なんか高級感がある。
「っし。行くぞー。」
立ち上がった俺は、まだ座り込んだままの健を見る。
「・・・・だりぃ。」
本当に嫌そうな顔で、健は呟く。
眉間に皺をよせた赤髪の不良・・・・けっこう迫力あるな。
健はあまり表情を顔に出さないし、無口な方みたいだ。
でも、随分話してくれるようになった。
地味に嬉しい。
「おら、立てよ。」
上から見下ろしながら、笑ってうながす。
目線が逆転してる。
ちょっといい気分。
小さな溜息と共に健は立ち上がって、また目線が逆転した。
「あ、健って何組?」
「2C」
「あ、一緒じゃん。すげぇな。」
たらたらと会話しながら、教室に向かう。
たまたま仲良くなった奴が同じクラスとか、俺すげぇ運いい。
上機嫌の俺は軽く鼻歌を歌いながら歩く。
健から「隣を歩きたくねぇ」って苦情がきたから、すぐ止めたけどな。
「たっだいまー。」
休み時間だからがやがやとうるさい教室に入る。
クラスの皆は、入り口俺達の姿を見た途端に動きを止めた。
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