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「は?」
眉間に皺が出来てるぞー。
目つきがめちゃくちゃ悪いぞー。
「喧嘩なんだから、両方悪いに決まってんだろ。転入生も先に手を出したことも関係ない。」
俺はそう思うんだけど、と首を傾げてみる。
まっすぐに見つめ合ってた時間は、たったの10秒くらいだ。
だけど、橘の目は次々にいろんな感情を移した。
そしてそらされた。
「馬鹿じゃねぇの。」
「何それ。」
呟くように力なく言われたそれに、思わず笑いがこみ上げる。
すばやく笑った俺を睨んできた橘に、すっと手を伸ばす。
「如月更夜。更夜でいい。」
手をとってくれないかもしれないと思った。
それならそれでいい。
だけど、橘は少しの間を置くと、俺の手を握ってくれた。
「橘健太郎(ケンタロウ)」
「じゃ、友達5号だな。」
「は!?」
「よろしく。ついでに、放課後ちょっと付き合えよ。」
「あぁ!?何でだよ!?」
「いいじゃん。一緒に処罰を受ける仲だろ?」
「・・・どんなだよ・・・。」
うん、決定。
残りの教科書を一緒に寮まで持って行ってもらおう。
喧嘩の件も、教科書の件も解決したし。
二件落着!!
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