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見物の生徒が、取り囲むように周りに突っ立ってた。
邪魔だけど、傍観者は手出しをしないし無視。
人がたくさん集まって、先生達が走ってきて。
「こら!!」とか、静止の怒号も聞こえたけど無視。
止めたいんなら、体で来い。
殴られて、殴って。
かわして、かわされて。
蹴って、蹴られて。
転んで、起き上がった。
そしてまた、繰り返す。
「やめてくれ、2人共!!」
そんな叫びと共に、俺らの間に無理やり入ってきた人影があった。
顔になんか見覚えがある。
「あ、迫田先生じゃん。」
お互いに拳を構えていた、俺らの時が止まる。
「いいから、来なさい。」
怒っているような、悲しんでいるような表情の先生は、静かな声のまま言った。
その顔を見て、俺はすっかり戦意喪失してしまった。
その雰囲気が伝わったのか、赤髪も同じように拳を下ろした。
先生の後についていくとき、康一と壱流が不安そうにこっちを見てた。
俺は軽く笑って、手を振ってみたんだけど、見えてたらいいな。
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