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「何してんの。」
皿へ向き直ろうとした俺は、思わず声をかける。
康一と壱流が、呆然と固まって俺を見ていた。
「えっ、あぁ・・・。」
壱流が慌てたような声を出す。
「更夜・・・副会長と知り合いだったのか・・・。」
康一は、何度も瞬きをしながら、そう言った。
「副会長?誰、それ。」
そんな役職名で分かるわけない。
それに、俺はこの学園の生徒会役員にはまだ1人も遭遇してない。
「え?」
康一と壱流は、困ったように顔を見合わせる。
「僕だよ。」
クスリ、と俺を抱きしめたままの透が笑った。
「白石透は、生徒会副会長。」
教えてなくってごめんね、と透が小さく肩をすくめる。
別にいい、と言おうとしたところで、鋭い声が間に入った。
「おい。」
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