言葉のキャッチボール
唐揚げを1つ、適当に選ぶ。
はい、と箸で掴んだそれを透に差し出す。
ぱくっとそれを食べると、俺を見つめたまま透は笑った。
「可愛い」
「は?こういうのは、美味しいっていうだろ。」
きょとんとすれば、優しく頭を撫でられる。
ずっと騒がしかった食堂が、さらにざわついた。
・・・・うるせぇ。
流石の俺でも、思わず嫌な気分になる。
それくらいにざわつきは大きくて、食堂は落ち着きがなかった。
もっと食事に専念しろよ。
人様に迷惑かけてんじゃねぇ。
唐揚げ、最高だろうが。
この学園、豪華すぎ。
心の中で吐き捨てると、自分は皿へと向き直る。
まだ、唐揚げが俺を待ってるもんな。
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