3
円形のテーブルには、ちょうどイスが3つ。
康一はカツ丼で、壱流はナポリタンだ。
俺が編入生って知ってんのか、いろんな奴等がこっちを見てくる。
だけど、無視。
俺、腹へったし。
唐揚げ、超うまそうだし。
「いただきます。」
3人とも用意が整ったのを見計らって、食べ始める。
唐揚げを1つ食べて、俺は思わず動きを止めた。
「うますぎ・・・。」
皮はパリッ、中は柔らかく肉汁ジュワッ、みたいな。
とにかく、おいしい。
高級料理店の一流シェフの唐揚げみたい。
そんなもん、食ったことねぇけどさ。
「ははっ。更夜可愛いのなー。」
康一と壱流が、俺のこと笑ってるけど仕方ない。
おいしいものはおいしいし、こういう幸せだとか喜びが無きゃ日々を生きていけないだろ。
「何とでも。」
幸せに顔をほころばせて、俺は食事を再開する。
食堂の方々、ありがと!!
おまえ等、いい仕事してるっ!
その時、後ろの入り口のほうがなにやらざわついた。
叫び声とか、黄色い歓声に野太い雄叫びも聞こえた。
なにか大惨事があったのか?
でも、無視。
どうでもいい。
唐揚げ、最高っ!
- 39 -
[*前] | [次#]
back