∞主義 | ナノ
何があっても飯を食え
編入初日だし、学園の仕組みなんて俺は全く分かんなかった。
まともにパンフレットも読んでないしな。
だから、康一の親切に甘えて、食堂に連れて行ってもらった。
社交的でいい奴な康一は、やっぱり友達が多い。
野球部だとか、スポーツ系の奴等ばっかだけど。
そんな中、俺と康一と一緒に食堂に向かってる奴は、珍しい人物だった。
名前は八代壱流(ヤシロ イチル)、2年A組だ。
背は俺より低くて、160cmくらい。
薄い茶髪に、白い肌で、華奢な体つき。
女装とか、すんげぇ似合いそう。
性格もおとなしめで、なんか可愛い。
飾った性格でもないし、気遣いも出来るいい奴だ。
ってことで、壱流は俺の友達4号。
「ふぅん。確かに、壱流は美術部似合うな」
「ありがとう」
ふわり、と笑うとカナリ可愛い。
そこらへんの女子以上に、癒し効果あるな。
・・・男子校だし、そこらへんに女子はいねぇけど。
「更夜は部活しねぇの?」
野球部とか、超おすすめ!と笑いながら康一が言う。
「だりぃし、帰宅部な予定。なんか良さげなのある?」
きっと康一は野球部としか言わないだろうから、さらりと壱流に尋ねる。
「んー・・・よく分かんないや。見学とか、いろいろ行ってみようよ。」
優しく小さく、壱流は笑った。
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