∞主義 | ナノ
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朝のSHRは、重要な連絡事項も特に無くすぐに終了した。
「編入生が珍しいからって、質問攻めは駄目だよ」
先生は話を終わる間際に、俺のほうを見て笑いながらそう言った。
「じゃあ、今日も仲良く楽しく過ごしましょう。」
そう言い置いて、先生が教室を出る。
本当に、理想的な先生だよな。生徒にも人気ありそうだ。
「如月、だよな?」
突然、前の席の野郎が、振り返って尋ねてきた。
自己紹介で言っただろうが、とか思いながらもしっかりと頷く。
「俺、山本康一(ヤマモト コウイチ)!よろしくな!」
にかっ、と笑う姿は、とっても爽やか好青年。
黒髪の短髪も似合ってるし、背も高そうだ。
「更夜でいいよ。よろしく。・・・野球部?」
聞くと、相手は目を丸くした。
「よく分かったなー!そ、俺野球部。」
あ、やっぱり?
なんか、いかにも野球部っぽい、青春オーラが出てる感じがする。
「甲子園、目指してるから!応援よろしく!」
あ、康一って呼べよ?
笑いながら、楽しそうに話を続ける。
気さくで、明るくていい奴って感じかな。
んー。
「康一。」
話を遮ると、「ん?」と見つめてきた。
「おまえ、友達3号な。」
にっこりと笑うと、相手は少し呆けた顔をした後で、「おう!」と元気よく答えた。
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