∞主義 | ナノ

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迫田先生もかっこいいけど、優しげでちょうどいいくらいだ。


「じゃあ、職員室に行こう。教科書が置いてあるから。」

迫田先生はそう言って、俺の前を歩き始める。
このさりげないリードも、いかにも先生って感じだよな。

俺はなんだか嬉しい気分で先生の後を付いていった。

廊下は並んで歩いたけど、エレベーターのボタンを押すときとか、さりげなく気を使ってくれた。

いい先生すぎる。


職員室では、今日ある教科の分だけ教科書を貰った。

さすがに全部は重すぎて無理だから、帰りにでもとりに来ることにした。

ほぼカラだったバックも、いい具合に重くなった。
バックがあんまり軽すぎると、なんか落ち着かないんだよね。


先生によると、C組は明るいクラスらしい。

クラスによって雰囲気はかなり違っていて、A組は知的で大人しい、H組は不良がたくさん、というような具合らしい。

H組が楽しそうだ、とか思ったけど、あんまり目立ちたくはない。
って考えると、C組っていう選択がベスト。

雅明さんがわざわざ、そうしてくれたんだろうな。


「あ、自己紹介ってどうする?」

他愛も無い世間話の途中で、迫田先生が思いついたように言った。

意味がよく分かんなかったから首をかしげると、先生は小さく笑った。

「今から朝のSHRなんだけど、自己紹介してもらいたいんだ。」

あぁ、自己紹介か。
面倒だけど仕方ねぇよな、編入生の使命だろ。

「それで、どういう風に教室に入る?」

「・・・どうって?」

「僕が朝の挨拶で呼び入れるか、最初から一緒に入るか。」

前者は古典的過ぎて、恥ずかしいだろ・・・。


「ぜひ、一緒に入りたいです。」

きっぱりと言うと、迫田先生は笑って頷いてくれた。

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