先生、バンザイ
隣の部屋をノックして開けると、ソファに1人の男の人が座っていた。
雅明さんいわく、この部屋は理事長室への訪問者用の待合室だとか。
本当に無駄に金かかってる学園だ。
振り返った人は、考えていたより若くて驚いた。
どう見ても20代だ。
落ち着いた茶髪で、長さは女の子のショートヘアぐらい。
長身だけど、なんか雰囲気が優しそうだった。
「すいません。」
待たせたことに頭を下げる。
・・・直接的には俺のせいじゃねぇけど。
「あ、いいんだよ。気にしないで。」
落ち着いた話し方で、先生は続けた。
「担任の迫田一(サコダ ハジメ)です。よろしく、更夜くん。」
すっ、と片手を差し出された。
「こちらこそよろしくお願いします。」
その手を握りながら、俺は思った。
この人、マトモだ!
すっげぇ誠実でいい先生っぽい!
挨拶とか、礼儀とか、気配りとか。
「先生」が天職ってくらい似合ってる!
初めて、職業に見合う性格の人に出会いました。
だって雅明さんはあんなんだし、聡介はかっこよすぎたし。
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