∞主義 | ナノ

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「大丈夫?」

「え?あ、あぁ。」

つい、思考の海につかってしまってた。

別に雅明さんが悪いわけじゃねぇし、心配させるのは良くないよな。


「大丈夫だって。今は黒髪だから、あんま目立たないし。」

見事に真っ黒に染まっている、自分の髪を一房持ち上げる。

それに、と安心させるようににっこり笑う。

「俺、喧嘩好きだし。負けねぇよ。」

相手が筋肉マッチョでも、安全な競技ばっかやってる奴等には負けない。
喧嘩の腕には、かなり自信ある。


「・・・何かあったら、すぐに言ってね。」

雅明さんの顔から、心配の色が全て消えたわけではないけど。

まぁ、いいか。
なんとかなるだろ。


「はい」

立ち上がった雅明さんが俺に渡したのは、1枚の黒いカードだった。

・・・ブラックカード?

「僕の部屋のスペアキー。いつでも遊びに来てね。」

あ、そういえば透から貰ったヤツにそっくりだな。


「おっけー。」

しっかりと頷くと、雅明さんはにっこりと笑った。

そのまま何も言わずに抱きしめられる。


「頑張ってね。」

優しく呟いて、俺を解放すると雅明さんは笑って告げた。


「隣の部屋に、担任の先生を待たせてあるから。早く行ってあげてね。」

・・・・先生、待たせてごめんなさい。


部屋から出るときに手を振ると、雅明さんも笑って大きく振り替えしてくれた。


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