∞主義 | ナノ
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「ホモばかりじゃないよ。ほとんどはバイ。女の子いないから、仕方なく男でガマンしてる子とか」
バイ・・・男も女もドンと来い、って奴?
んー、だったら大丈夫・・・かな。
「ほぼ生徒全員が、だけどね。」
「え・・・?」
「入学した時ノーマルでも、卒業時には皆、立派なバイになってるからねぇ。」
わぁ、すっげぇなこの学園・・・って、感動しかけてる場合じゃねぇよな。
つまり何だ、俺も卒業時には立派なバイになっちゃうわけか?
・・・お断りしたいな、女の子だけで俺は十分だ。
いきなり告げられた、衝撃の事実。
かろうじて分かるのは、前途多難ってことぐらいだな。
そんな俺をみて、雅明さんも眉をよせる。
「更夜は危ないだろうし、気をつけてね。」
いや、危ないのは俺じゃなくてこの学園だろ、と雅明さんの言葉に首をかしげる。
すると雅明さんは、とても真剣な瞳で首を横に振った。
「更夜は美人だし、狙われると思う。」
あ?
「男に、俺が狙われるわけ?」
「うん。恋愛対象として。」
・・・想像してしまった。
たくさんの男に、告白される場面を。
むさ苦しすぎる。怖すぎる。モテても、全然嬉しくない。
「悪夢だ・・・。」
頬をつねっても、痛みを感じるだけだった。
やっぱりこれが、現実みたいだ。
誰かが言ってたよな。
『現実は甘くない』
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