3
思いついたように顔を上げた雅明さんは、少しかたい声音で話を切り出した。
「男同士の恋愛、ってどう思う?」
そんな雅明さんの口から出たのは、考えもしない言葉だった。
「は?」
何も言わずにこちらを見ているところからすると、俺の返事を待ってるんだろう。
「・・・別にどうでも。いいんじゃねぇ?そこらへんは、個人の問題だろ」
恋愛なんて人それぞれだし。
俺には、何の関係もない。
「あ、そう?良かった良かった。」
ほぅ、と安堵の息をもらすと、雅明さんは困ったように頭をかいた。
「この学園、そういう恋愛ばっかりなんだよね。」
「へー・・・。」
「はぁぁあああ!?」
今、さらりと何か重大なこと言ったぞ!
「そんな驚かないでよ。全寮制だし、男子校だし、幼稚園からのエスカレーター式だし?」
いやいやいや!
当たり前のように言うな!!
じゃあ、あれか。
校内を散歩中に、野郎同士のキスとか見たりすんのか!
・・・困る。
反応にも対応にも・・・いや、困るどころの話じゃねぇよ!
- 27 -
[*前] | [次#]
back