∞主義 | ナノ

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「一条学園へようこそ。」

向かい側の机に座ると、雅明さんはにこりと笑う。

指を組んで座るその姿は、さっきまでと別人だ。
いきなり、かっこいいデキル男に変身。

「理事長、水沢雅明です。・・・っていう堅苦しいのは無しにして。」


そこで、言葉を切ると、雅明さんは笑った。

にこり、の作ったヤツじゃなくて、にっこりと嬉しそうに。

「いらっしゃい、更夜。来てくれて嬉しいよ。」

我が叔父ながら、本当にかっこいいな。

「ありがとう」

思わずこっちも笑顔になった。


「学校についての説明は、このパンフレット見てね。校内の地図付きだから。」

はい、と渡されたのは、やたら上等なパンフ。
金かけてんなぁ。

「寮に入ってもらうんだけど、2人部屋だから。同室の子と仲良くね。」

「はーい。」

初めての寮生活。
楽しみなような、面倒なような。


「クラスはA組からH組まで。更夜はC組だよ。担任の先生を呼んでるから、案内してもらえるよ。」

「ん。ありがと。」
てきぱきとした説明に、コクコクと素直に頷いておく。


「・・・・食べちゃいたい。」

笑顔のまま、雅明さんが小さく何かを呟いた。


「何?」

「んー。」

聞き取れなかったから聞き返したら、誤魔化された。

「あぁ、更夜は綺麗過ぎるから、一つ忠告しようかな。」


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