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「可愛い。」
理事長室に入るときに、笑って手を振ってくれた。
なんか仕草の全部が可愛く見えるんだけど。
他人なのにね。
あんまり人と関わること、好きじゃないんだけどね。
なんでだろう。
特別、になっちゃったんだよ。
時間なんて関係ないじゃない?
「欲しいなぁ。」
小さく呟く。
僕だけのものになって欲しい。
確かな所有欲が、激しい独占欲が。
とにかく、また会いたい。
いや、また会いに行こう。
つまらないまま終わる予定だった今日が、突然面白いものに変化した。
特別、ってそんなもんでしょ。
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